長光集落は台東県長浜鄉にあり、旧名を石坑(Ciwkangan)と言います。台11線の85K辺りで、山を背に海に向かう美しい先住民集落です。長光集落へ東13線「長光産業道路」を一路西へ向かえば、まっすぐな「金剛大道」が見えてきます。道の南北両側はどこまでも棚田。段々と金剛山の麓、太平洋まで続いています。潮風が吹くと、金黄色の稲穂が揺れ、波のよう。さわさわと揺れる稲穂が波音と響きあい、どこまでも広がる風景は、縦谷の「伯朗大道」に負けない美しさです。
金剛山
集落で盛名を誇るのは、西側海岸山脈にある「金剛山」に他なりません。山の形と光や雲の影の作用で、巨大なキングコングが山壁に屹立しているかのように見えるため、「金剛(キングコング)山」と呼ばれており、長光社区のランドマークとなっています。天気が良ければ金剛山の地形が際立ち、キングコングの顔つきと輪郭が山壁に特にはっきりと現れます。長光集落の守り神のように、集落の子々孫々の繁栄を静かに見守っているかのようです。
美しい棚田の由来
長浜地区は長い歷史を有します。東部海岸の大多数の先住民集落と同じくアミ族が住民の多くを占め、たくさんの生活習慣と祭典文化を残しています。それは北側の大港口地区のアミ族文化とつながりがあり、東部海岸では比較的大きなアミ族集落の一つです。清代にここに移ってきたアミの人たちは最初は陸稲、アワを栽培していましたが、日本統治時代、城仔埔(長浜鄉内)一帯に暮らすクバラン人から水稲の栽培技術を学び、二年もしない内に、全面的に水稲栽培を行うようになりました。そして年齢階級制度を通して集落の人力を集中し灌漑用水を整備。これにより水田面積が爆発的に増え、人口も大幅に増加しました。